――そして、なぜそれは仕組み化されるべきだと思っているのか
この記事は、
人材会社の立場から誰かを擁護したり、
就業者の行動を評価したりする目的で書いていません。
現場で起きている判断を、
どう見えているか/なぜそうなっているか
という視点で整理するための記録です。
人材業界では、自動マッチングが当たり前になってきました。
条件を入れれば人が集まり、評価は数値化され、
欠勤やキャンセルはシステム上で処理される。
正直に言うと、
自分が今やっている仕事も、その多くは仕組み化できると思っています。
実際、
タイミー や
シェアフル のようなサービスでは、
かつて人が判断していた部分が、かなりの精度でシステムに置き換えられています。
それでも現場には、
企業の意見を一つひとつ聞きながら、
人を手動で調整し続けている仕事が残っている。
今日はそれを
「必要だから残っている」という話ではなく、
本来は仕組み化されるはずなのに、なぜ消えきらないのか
という視点で整理してみます。
自動マッチングで十分な仕事は、もう決まっている
条件が明確で、
業務内容が毎回ほぼ同じで、
評価基準が数値に落とせる仕事。
このタイプの案件では、
人が介在しない方がうまく回ります。
むしろ人が入ることで、
判断がブレたり、説明コストが増えたりする。
この領域はもう、
人がやらない方がいい仕事
になっていると思います。
それでも手動調整が残る現場
問題は、そうでない仕事です。
- 毎回条件が微妙に変わる
- 現場責任者の裁量が強い
- 過去のトラブルが判断に影響している
- 人手は足りないが、誰でもいいわけではない
こうした現場では、
「条件一致=採用」という判断が成立しません。
結果として、
企業の温度感を聞き、
曖昧な要望を翻訳し、
リスクを見積もりながら人を当てる、
という作業が発生します。
ただしこれは、
本質的には“人でやるべき仕事”というより、
まだ仕組みに落としきれていない仕事
だと思っています。
手動調整は、就業者からどう見えているか
この調整の影響を、
一番直接受けているのは就業者です。
就業者側から見ると、
手動調整はこんなふうに映ることが多いと思います。
- なぜ不採用なのか理由が分からない
- 前回の評価が、いつまで影響しているのか分からない
- 何を改善すればいいのかが見えない
実際、
「確認中です」「今回は見送りです」
という言葉だけが返ってくることも少なくありません。
これは就業者の姿勢の問題というより、
判断基準が外に出せない構造の影響が大きいと感じています。
評価が「固定されたもの」に見えてしまう理由
手動調整の現場では、
過去の欠勤やトラブルが強く意識されます。
ただし就業者側からすると、
- いつの話なのか
- どこまで影響しているのか
- もう挽回できないのか
が分からない。
結果として、
「一度ついた評価はもう変わらない」
と感じやすくなります。
実際には、
現場ごとに見方は違いますし、
状況次第で判断が変わることもあります。
ただ、その曖昧さ自体が、
就業者にとっては不安要素になります。
就業者にとって一番しんどいのは「基準が見えないこと」
多くの就業者は、
条件が厳しいこと自体よりも、
どうすれば次に進めるのか分からない
状態を一番つらく感じています。
- 連絡の仕方を変えればいいのか
- 欠勤しなければいいのか
- そもそも別の現場を選ぶべきなのか
こうした判断材料がなく、
結果だけが積み重なっていく。
この点については、
現場にいる側としても、その通りだと思っています。
これは就業者の理解力や姿勢の問題ではなく、
仕組みとして可視化されていないことの問題
だと感じています。
手動調整の正体は「判断コストの肩代わり」
手動調整は、
感情の仕事に見えがちです。
でも実際にやっているのは、
感情の処理というより
判断コストの肩代わりです。
- トラブルが起きた場合の影響
- 代替要員を用意できるか
- 次回以降の取引への影響
これらをその場で人が引き受けている。
本来であれば、
この判断基準はもっと整理され、
ルールや仕組みに落とせるはずです。
それができていない分、
現場の人間が「考え続ける役」をやっています。
この仕事は、減らす前提で向き合うべきだと思っている
手動調整が悪いとは思っていません。
実際、今もそれで回っている現場はあります。
ただ、
これを前提にし続ける仕事ではない
とも感じています。
- 属人化する
- 判断が引き継がれない
- 人が疲弊する
だからこそ、
残す前提ではなく、
減らす前提でどう扱うかを考えるべき仕事だと思っています。
まとめ
手動調整が残っているのは、
価値があるからというより、
まだ仕組み化しきれていない部分があるからです。
そして、その多くは
本来は人が抱え続けるべき仕事ではありません。
仕組み化が進めば、
調整される側の見え方も、
調整する側の負担も、
今とは違った形になるはずです。
どこまでを人が考え、
どこからを仕組みに委ねるのか。
その線引きこそが、
次に考えるべきテーマだと感じています。

コメント